木々の間の岩肌を見ると、常に湿っていて、汗をかいているようだったので『汗の谷』と呼ばれたというのが、語源だと言う。伏流水が岩の間から染みだしているものであろう。 中世から近世にかけ、水害・干ばつ、それに戦争の繰り返しで、それに伴う病気が流行し、人々の生活を苦しめていた。当時の新家は根来寺の境内であった。その苦しみを少しでも和らげようと、根来寺の僧侶が衆生の病気平癒を祈念しており、願いを込めて畦の谷地蔵尊を刻み込んだという。 そして、干ばつには雨乞いの祈祷が行われ、水害が広がると救援のために食料を送ってきたという深い結びつきがあった。 畦の谷地蔵は、今日まで地元の人に守られ、頭の地蔵さんとして慕われている。学業成就や頭痛平癒などのために祈願に訪れる人が多い。 この付近で化石が出ることが知られており、数十年前には学校行事としてこの山を訪れ、化石採取の経験を持つ人が多い。 温泉が湧いていた時代もあったが、いつの日か大地震で湯壷が潰れたということで、今は何処も温泉は出ていない。 JR新家駅から 種河神社を経由して徒歩40分、良い散策道である。 |